昨今の健康志向やダイエットなどにより、霜降り(サシ)の入った「和牛」(黒毛和牛など)よりも、ヘルシーな赤身肉が注目され、「外国産」のお肉を好む人も増えています。
しかし、「アメリカやオーストラリアといった外国産の牛肉=美味しくない、硬い、安全性に問題有り」というイメージを持っていませんか?
今回は、「バーベキューに最適な外国産の赤身肉」についてお話したいと思います。
そもそも国産と外国産の違いは?
日本で消費される牛肉のうち、国産牛肉は4割で、輸入牛肉は6割です。輸入牛肉の内訳は、オーストラリアが35%、米国が20%、ニュージーランドが2%、その他が2%です(2016年農林水産省調べ)。
スーパーのお肉(牛肉)売り場には、霜降りの「和牛」、少し赤身のある「国産牛」、端の方に安い米国産やオーストラリア産といった「外国産」が並んでいる状況から見て、日本人は国産をよく食べていると思っていただけに、逆の結果でした。
外国産の数値を押し上げているのは、飲食店など外食での消費です。定食屋、ハンバーガー屋、コンビニ弁当などに使われる牛肉は外国産が多いからと知り納得しました。
ちなみに、国産牛と和牛の違いって?
国産牛=和牛ではありません。
●「国産牛」は日本での飼養期間が最も長い牛で、海外生まれであっても、日本での飼養期間が最も長ければ「国産牛」と表示する事が可能です。どこで生まれたか、どんな品種かは問いません。
●「和牛」は、国産牛の一種であり、日本で生まれ、日本で飼育された牛に限られ、4品種の牛のみが和牛として認められています。良く知られている「黒毛和牛」は「和牛」にあたり、この品種だけで和牛の9割を占めます。
よって、「国産牛」の中に「和牛」が含まれています。
↓兵庫県が誇る「神戸牛」も和牛(黒毛和牛)の一種です。
日本の輸入肉の2強「オーストラリア産」と「米国産」の特徴
オーストラリア産牛肉もアメリカ産牛肉も、脂肪分が少なく、赤身が多いのが特徴で、お肉本来の旨味を楽しむことができます。
オーストラリア産牛肉
オーストラリア産牛肉(オージービーフ)は、牛が本来食べている牧草(grass=グラス)を食べて育つ「グラスフェッド(grass fed)」という肥育方法が特徴です(多くの牛は高カロリーの穀物飼料を食べて育ちます)。自然の環境で放牧されるため運動量が多く、牧草のみで飼育されているので赤身が多くなります。また、低カロリーでヘルシー、かつビタミンやたんぱく質などの栄養価が豊富です。
ちなみに、国産牛(和牛を含む)は放牧されているものは皆無で、牛舎で飼育されています。飼料は、牧草ではなく、穀物、とうもろこし、稲わらなど、様々な飼料が与えられています。
当店スタッフが約15年前にオーストラリアへ旅行に行った時代は、オーストラリア産の牛肉は、臭みが強くて不味い、といった散々な言われ方をしていましたが、現在は品種改良なども進み(和牛と交雑した品種もあり)、格段に美味しさがアップしています。
米国産牛肉
アメリカ産牛肉は、穀物(grain=グレイン)を食べて育つ「グレインフェッド(grain fed)」と、出荷される前の牛を柵で囲い込み運動量を減らした上で、濃厚飼料を与えて太らせて育てる「フィードロッド(feed lot)」という二つの肥育方法が特徴です。
日本に輸入される米国産牛肉のほとんどが「グレインフェッド」によるものです。穀物を食べて育つことで、臭みはなく、適度な脂肪がついた柔らかい肉質になります。
外国産の赤身肉は硬い?
「美味しい肉=柔らかい肉」というイメージを持っていませんか?
このイメージを持っているのは、日本人だけと言われています。海外では、牛肉は歯ごたえがあって、その食感を楽しむもので、噛むことにより旨味が増すものととらえています。
世間を騒がせた牛脂注入肉(牛脂などを肉に注入し霜降りを意図的に作る)の虚偽表示問題は、柔らかい肉が好きな日本ならではの事件であったと思います。
そして、「アメリカ産やオーストラリア産の牛肉は硬い」というイメージを私たちスタッフも持っていましたが、部位や切り方によるものが大きいと分かりました。
アメリカ産やオーストラリア産の牛肉は赤身が多いので、和牛に比べて確かに硬いですが、バーベキューで焼く場合は、ハラミ(牛の横隔膜の部分)など比較的柔らかい部位を選び、筋と筋の境を上手に切ると、硬さを感じません。
オーストラリア産と米国産の牛肉の安全性
アメリカ産牛肉の輸入量が前年の122%に増加しました(2020年2月7日財務省速報値)。これは、2020年1月からアメリカから輸入する牛肉の関税率が下がったためです。今後も輸入量が増加し、米国産牛肉を口にする機会が多くなることが予想されます。
しかし、「アメリカ産牛肉」の多くに、発がんリスクのある「肥育ホルモン剤」(牛を短期間で肥育させるための成長促進剤)が投与されています。
日本は、国産牛にはホルモン剤の投与を禁止していますが、ホルモン剤を投与した牛肉の輸入は禁止していません。アメリカから輸入する牛肉のほとんどが肥育ホルモン剤を使用しているとみられています。
一方、「オーストラリア産牛肉」は、日本向けに輸出する牛肉に関しては、「肥育ホルモン剤」を投与していないので、私たちが日本で口にするオージービーフは安全であるといえます。
また、オーストラリア産牛肉は、品質保証制度を設けており、飼育から輸出までの過程が厳しく監査されていて安心です。
BBQにはオーストラリア産牛肉がおススメ!
バーベキューには、オーストラリア産の赤身肉をおススメします。
炭火で焼くバーべキューの場合、オーストラリア産牛肉は脂肪が少ないので、網の下に脂が落ちて炎上することが少なく、最後まで美味しく食べることができ、相性が一番良いといわれています。
そして、赤身肉なので、低カロリー&栄養豊富です。部位を選べば柔らかく、安全性の問題も無いことから、バーべキューを良く知っている人こそオージービーフを選んでいます。
当店は、オーストラリア産牛肉(ハラミ)を宅配メニューとして使っています。脂肪も適度に入り、旨味たっぷりの赤身肉です。
オーストラリアはバーベキューの先進国(意外なことに先進国はアメリカではありません)で、BBQのことを「バービー」と呼び、週に3、4回バーべキューをしているそうです♬
※皆さんのお役にたてるよう、熟慮の末の記事です。どうか無断転載はご遠慮ください。
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